シロアリの生態まとめ|被害の原因・侵入経路・弱点をプロが解説

害虫一覧・種類と特徴まとめ

ここでは、家の大敵と言われる「シロアリ」の生態を、
基礎知識・生活環境・繁殖サイクル・侵入経路・被害と弱点という流れでまとめています。
シロアリの性質を知っておくと、被害の早期発見や予防対策が取りやすくなります。

このページでわかること

  • シロアリの基本的な特徴と生活環境
  • コロニー(巣)の仕組みと繁殖サイクル
  • 家への侵入経路と被害が出やすい場所
  • シロアリの弱点と、対策の考え方

【1】シロアリとは?(基本情報)

アリに見えるが「ゴキブリの仲間」

  • 体が白っぽく柔らかい
  • 触角は数珠状でまっすぐ
  • 腰のくびれがほとんどない
  • 光を嫌い、暗く湿った場所でコロニー生活をする

見た目はアリに似ていますが、系統的にはまったく別の昆虫です。

【2】シロアリの生活環境(どこにいる?)

暗く湿った場所を好む

  • 床下・束柱まわり
  • 土壌に接した木材
  • 浴室・脱衣所の下
  • 玄関框・勝手口
  • ウッドデッキ・庭木・枕木

「湿気の多い家」「地面に近い木部」が狙われやすいポイントです。

【3】コロニーで暮らす社会性昆虫

4つの階級に分かれて生活

  • 女王・王:産卵を担当。女王の寿命は10年以上に及ぶことも。
  • 働きアリ:巣作り・エサ集め・幼虫の世話を行う。
  • 兵アリ:大きなアゴで外敵から巣を守る。
  • 有翅虫(羽アリ):新しい巣を作るために飛び立つ階級。

1つのコロニーに、数万〜数十万匹規模で生活していることも珍しくありません。

【4】繁殖サイクルと羽アリ発生時期

羽アリは「一年に一度の繁殖サイン」

種類ごとに、羽アリが飛ぶ時期や特徴が異なります。

  • ヤマトシロアリ:4〜5月の昼間に群飛。日本で最も生息数が多く、家の土台や柱を中心に加害。
  • イエシロアリ:6〜7月の夜間に群飛。加害スピードが非常に速く、大規模被害になりやすい。
  • アメリカカンザイシロアリ:年中さまざまなタイミングで羽アリが出る。乾いた木材でも被害を出す外来種。

室内で羽アリを見かけた時点で、近くにコロニーが存在する可能性が非常に高いと考えられます。

【5】シロアリは何を食べる?(食性)

主食はセルロース(木材・紙・段ボール)

  • 家の柱・土台・梁
  • 床板・畳
  • 障子・ふすま
  • ウッドデッキ・庭木・枕木

木材の内部だけを食べ進め、表面は薄く残すため、
外から見ると問題なさそうに見えていても、中身がスカスカになっていることがあります。

【6】侵入経路(どうやって家に入る?)

代表的な侵入ルート

  • 基礎のひび割れや欠け
  • 浴室・トイレなどの土間部分
  • 配管周りのすき間
  • 土台と基礎のわずかなすき間
  • 地面から「蟻道(ぎどう)」を作って侵入

蟻道(ぎどう)とは?

土でできたトンネル状の通路で、
基礎や束柱・壁の表面に土が盛り上がった筋のように見えます。
この蟻道が見つかった場合、シロアリが活動している可能性は非常に高いといえます。

【7】シロアリ被害の特徴(なぜ危険なのか)

家の強度が内側から落ちる

  • 土台・柱・梁が内部からスカスカになる
  • 床や畳が沈む・ふかふかする
  • 建物の耐震性が低下するリスク

発見が遅れやすい

  • 木材の表面を残して内部だけを食べる
  • 目に見える症状が出る頃には被害が進行しているケースが多い

注意ポイント

特にイエシロアリは、被害の進行が非常に速い種類です。
「少しおかしいかな?」と感じた段階で専門調査を依頼することで、修繕費用を大きく抑えられる可能性があります。

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【8】シロアリの弱点と対策のポイント

湿気に依存している(乾燥に弱い)

  • 床下換気を良くする
  • 浴室・洗面所・配管からの水漏れを放置しない
  • 雨漏り箇所を早めに修理する

薬剤に弱い(正しい施工が前提)

  • ベイト工法:巣全体に薬剤を行き渡らせる方法
  • バリア工法:建物の周囲に薬剤のバリアを作る方法

適切な薬剤と施工方法を選べば、長期間の防除が可能です。

自己流での完全駆除はほぼ不可能

  • 巣がどこにあるか目で見えない
  • 市販スプレーでは表面しか駆除できない
  • 羽アリだけ掃除機で吸っても根本解決にはならない

【9】チェックしたいシロアリ被害のサイン

  • 床を歩くと沈む・ギシギシする
  • 畳がふわふわしている・一部が沈む
  • 柱や壁を叩くと「ポコポコ」と空洞音がする
  • 基礎や束柱に蟻道(土の筋)ができている
  • 木くず・土の粉のようなものが落ちている
  • 家の中や玄関周りで羽アリを見かけた

これらに心当たりがある場合は、
早めに専門業者の調査を受けることで、被害の拡大を防ぎやすくなります。

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