ここでは、家の中や庭まわりに出る「ムカデ」の生態を、
なぜ出るのか・どこに潜んでいるのか・どこが危険でどこが弱点なのかという視点でまとめています。
ムカデの性質を知っておくことで、刺されるリスクを減らしつつ、発生を抑える対策が取りやすくなります。
このページでわかること
- ムカデの基本的な性質・生活パターン
- 日本の住宅まわりによく出るムカデの種類
- ムカデが好む環境・家に侵入する理由と経路
- 人やペットへの被害と、ムカデの弱点・対策のヒント
【1】ムカデの基本的な特徴
夜行性で、夜〜早朝に活動が活発
- 主に20時〜3時ごろに動きが活発になる
- 日中は石の下・落ち葉の下・床下・壁の隙間などに隠れている
肉食性の捕食者
- ゴキブリ・クモ・ダンゴムシ・幼虫など、他の虫を捕まえて食べる
- 小さなムカデや他の節足動物を食べることもある
家の中でムカデを見かけるのは、「他の虫(エサ)が多いサイン」でもあります。
毒を持つ「毒顎(どくあご)」
- 頭のすぐ後ろにある大きな顎に毒がある
- 噛まれると、強い痛み・腫れ・赤み・熱感が出やすい
注意ポイント
アレルギー体質の方や、何度も刺咬されたことがある方は、
全身症状(吐き気・めまい・呼吸の苦しさなど)が出ることもあります。
噛まれた後に症状が強い場合は、必ず医療機関を受診してください。
【2】日本の住宅まわりでよく見られるムカデ
トビズムカデ(大型でよく見るタイプ)
- 体長:およそ10〜15cm前後(地域によってはそれ以上)
- 体色:黒〜濃い茶色で、足は黄色〜橙色
- 気性が荒く、噛まれる被害の多くがこの種類
アカズムカデ(やや小型)
- 体長:およそ7〜10cm前後
- 体色:赤〜茶色っぽい体色
- 体は小さめでも毒性は強く、噛まれると強い痛みが出る
【3】ムカデが好む環境
湿気がある場所
- 庭の落ち葉の下・石の下
- 家の基礎まわり・ブロック塀の隙間
- 風通しが悪く、ジメジメした場所
隠れ場所が多いところ
- 雑草が伸びっぱなしの庭
- 木材や廃材、鉢やプランターが積んである場所
- 段ボールや不要物が溜まっている隅
エサが豊富な場所
- ゴキブリやクモなどの虫が多い家まわり
- 外灯の下(夜に虫が集まる場所)
ムカデは「他の虫を食べる」ため、害虫が多い環境ほど集まりやすくなります。
【4】ムカデが家に侵入する理由と経路
なぜ家の中に入ってくるのか
- エサ(ゴキブリ・クモなど)を追って室内に入る
- 大雨や長雨で巣が水没し、逃げ場として家の中に入ってくる
- 梅雨〜初夏、秋口は活動が活発になり、侵入しやすい季節
代表的な侵入経路
- 基礎の隙間・床下換気口
- サッシのレール・玄関ドアの隙間
- エアコンの配管まわり
- 風呂場・洗面所の排水口まわり
1cmもないような細い隙間からでも入り込むことが多く、「ここからは入れないだろう」という場所も要注意です。
【5】ムカデの繁殖・生活サイクル
産卵と子育て
- 多くは春〜初夏にかけて産卵する
- 1回に数十個の卵を産むことがある
- メス親が卵や幼体に巻きつくようにして守る「子育て行動」がある
寿命と成長
- 環境にもよるが、数年生きることもある
- 脱皮を繰り返しながら成長していく
冬の過ごし方
- 気温が下がると活動が鈍くなる
- 地中・落ち葉の下・基礎まわりの隙間などでじっとして冬越しする
【6】人やペットへの被害と危険性
噛まれたときの症状
- 激しい痛み
- 腫れ・赤み・熱感
- かゆみ・しびれを伴うこともある
アレルギー体質の方は、全身症状(吐き気・めまい・息苦しさなど)が出る場合もあるため要注意です。
ペットへの被害
- 犬や猫がムカデにじゃれて噛まれるケースが多い
- 顔や口の周りを噛まれると、腫れや痛みが強く出やすい
注意ポイント
噛まれたあとに痛みや腫れが強い場合、または全身症状が出ている場合は、自己判断せずに医療機関や獣医に相談してください。
【7】ムカデの弱点と対策のヒント
乾燥・日当たりに弱い
- 乾いた、日当たりの良い場所は苦手
- 庭の風通しを良くし、落ち葉や不要物を片付けることで住みつきにくくなる
隠れ場所を減らす
- ブロック・木材・植木鉢・段ボールを家の外壁近くに積まない
- 雑草を放置せず、こまめに草刈りを行う
侵入経路を塞ぐ
- 基礎や配管まわりの隙間をコーキング材などで封鎖する
- 玄関ドア・サッシの隙間にはモヘアや隙間テープを貼る
- 排水口には目の細かいストレーナー(網)を設置する
防除・駆除のポイント
- 屋外:家の周囲に粉剤・粒剤をまいてバリアを作る
- 室内:見つけた個体は殺虫スプレーや熱湯などで迅速に駆除する
- 大量に出る・毎年同じ場所に出る場合は、プロの調査・駆除を検討する
ムカデの生態と好む環境・弱点を理解したうえで、
「湿気を減らす」「隠れ場所をなくす」「侵入経路を塞ぐ」対策を組み合わせることで、
家の中に現れるリスクを大きく減らすことができます。


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